ホテルでトコジラミ疑いが出たとき、最初の数時間の動きで被害規模と損失(休室・返金・口コミ)が大きく変わります。本記事では、関西圏のホテル支配人・責任者向けに「初動でやるべき封じ込め」「やってはいけない自己対応」「清掃・リネン・フロントの連携」「駆除業者の選び方」「再発防止の運用ルール化」まで、現場でそのまま使える手順に落として分かりやすく解説します。
なぜホテルはトコジラミ被害が拡大しやすいのか(損失を防ぐ前提知識)

トコジラミは“不衛生だから出る”害虫ではなく、主に「持ち込み」で発生します。ホテルは人の出入りが多く、客室清掃・リネン回収・客室移動などの導線があるため、気づかないうちに広がりやすい環境です。まずは「広がる構造」を理解して、初動を迷わないことが大切です。
持ち込みが起きる典型ルート(ホテル特有)
- 宿泊者のスーツケース・衣類・上着
- 団体客の荷物置き場(荷物が集中する)
- 長期滞在客の私物増加(潜み場所が増える)
- 清掃用具・カートを介した“運び出し”
「発生源は1室でも、広がるきっかけは運用側で作ってしまう」ことが多いのが実情です。
放置すると起きる損失(支配人が見るべき指標)
- 休室(販売停止)による売上減
- 返金・補償対応、現場負荷の増大
- 口コミ悪化 → 予約率低下
- 館内複数室へ拡散 → 駆除費用の増大
「早く埋めたいから販売継続」は、後で“もっと埋まらない”状態を作りがちです。
トコジラミは“見つけにくい”前提で動く
小さく、暗所に潜み、昼は出にくいので「見えない=いない」とは限りません。疑いが出たら“確定を待たず”封じ込めに動く。このマインドが全ての出発点になります。
疑いが出た直後の初動フロー(最初の30分〜半日)

初動の目的は2つだけです。①拡散を止める(封じ込め) ②判断材料を集める(記録)。この2つを優先すると、現場が混乱しにくく、駆除業者の動きも速くなります。
① 客室を“止める”判断(販売停止の考え方)
- 該当室は即日から販売停止(当日分も含む)
- 可能なら隣接室(左右・上下)も状況確認
- 空室がない日は、別フロアへの振替など“隔離”を優先
支配人が最初に決めるべきは「稼働」ではなく「被害範囲を増やさない設計」です。
② 室内のものを動かさない(拡散の引き金を引かない)
やりがちなのが、良かれと思って先に清掃・リネン回収をしてしまうこと。
- シーツ・タオル・パジャマを廊下に出さない
- 清掃カートに載せない(他室へ運ばれる)
- 掃除機がけを急がない(吸引後の扱いが難しい)
“動かさない・出さない”が封じ込めの基本です。
③ 写真・時系列・部屋番号を残す(後から効く)
- 申告内容:いつから、誰が、どこを刺されたと言っているか
- 部屋番号、宿泊日、客室移動があったか
- ベッド周り(マットレス縫い目、ヘッドボード裏、ベッドスカート)
- 黒い点(フン)、抜け殻、血痕のような跡
この記録があるだけで、業者の現地調査が短縮され、対応がブレにくくなります。
④ 社内連絡の“型”を作る(混乱を止める)
初動でよく起きる混乱は「誰が何を決めるのかが曖昧」なこと。
- 連絡先:支配人/現場責任者/清掃責任者/外注清掃会社
- 決裁:販売停止・休室範囲・業者手配
- 情報共有:発生疑い室、封じ込め状況、客対応状況
連絡網をテンプレ化しておくと、夜間でも迷いません。
封じ込めの具体策(清掃・リネン・バックヤードの実務)

封じ込めは「薬」より先です。ホテルの場合、拡散の多くはリネンと清掃導線で起きます。現場に負担をかけすぎず、でも確実に“運ばない”仕組みにします。
疑い室のリネンは“二重袋+口を縛る”が基本
- 客室内で袋詰め(できれば二重)
- 袋の口をしっかり縛ってから搬出
- 途中で袋を開けない(詰め直し禁止)
リネン室に“そのまま持ち込む”のが最悪のパターン。疑い室だけ扱いを変えるのが重要です。
清掃カート・用具の分離(同じ道具を回さない)
- 疑い室専用の用具を用意(難しければ使い捨てを増やす)
- 同一モップ・クロスを他室に使わない
- カートの動線を他室と交差させない
徹底しすぎるより「分けるルール」を決める方が現場で守られます。
バックヤード(倉庫・更衣室)への侵入を防ぐ
- 清掃スタッフの私物置き場を分ける
- 交換用リネンの保管場所に疑い室の袋を近づけない
- 疑い室対応後は、上着やエプロンの扱いもルール化
“裏側に入る”と復旧が難しくなります。支配人はここを最優先で守ってください。
隣接室のチェックポイント(最低限ここだけ)
全室を疑い始めると現場が止まります。まずは隣接室の要所を押さえます。
- ベッド周りの縫い目・ヘッドボード周辺
- ソファ・壁際(巾木)・カーテン付近
- 荷物置きの周辺
短時間でも“同じ痕跡がないか”を確認し、範囲を絞っていきます。
やってはいけない自己対応(失敗パターンと理由)

トコジラミは、対応を誤ると「減らない」だけでなく「散って増える」ことがあります。市販品は否定しませんが、ホテルではスピードと再発リスクの観点から“危険な自己対応”が存在します。
燻煙剤(煙タイプ)で一発解決を狙う
煙は万能に見えますが、隙間の奥や家具の裏などに十分届かないことがあり、個体が逃げて散るリスクがあります。さらに、卵への効果や再発対策が別途必要になることも多く、結果的に長引きがちです。
清掃で徹底的に動かしてしまう(拡散要因)
- シーツ回収で廊下に出す
- ベッドや家具を移動して別室の備品と混ざる
- 掃除機のゴミ処理が適当(後で出る)
「早く片付けたい」が、館内拡散の引き金になります。封じ込めが済むまで“動かさない”が正解です。
客の申告だけで判断して“販売継続”する
刺咬痕は他要因と区別しづらいですが、ホテルで大事なのは確定診断よりリスク管理です。疑いが出たら、まず止めて、記録を取り、専門判断に繋ぐ。この手順が損失を最小化します。
担当者任せにして情報が散らばる
「どの部屋で、いつ、何が起きたか」が追えないと、業者も社内も正しい判断ができません。支配人が“記録の一本化”を指示するだけで、対応の質が一段上がります。
駆除業者の選び方(ホテル案件で外さない基準)

ホテルのトコジラミ対策は「施工したら終わり」ではなく、再点検・再施工も含む運用型になりやすいです。だからこそ、価格だけで選ぶと、結果的に休室期間が伸びて損します。
見積の比較は“回数と範囲”が肝
見積を見るときは、金額より先に次を確認します。
- 初回:調査だけか、施工まで含むか
- 再点検:何回付くか、期間はどれくらいか
- 対象範囲:1室のみか、隣接室・共用部も含むか
「安いが、追加だらけ」にならないかを最初に潰します。
ホテル運用まで提案できるか(ここが差)
良い業者ほど、薬剤の話だけでなく、
- 休室範囲の考え方
- 清掃・リネン導線の設計
- フロントの説明テンプレ(炎上予防)
まで踏み込みます。ホテルは“現場の動き”が最大の変数なので、運用提案できる業者が強いです。
当社トコジラミ宿泊施設の実績例
https://gaichukujo.jp/works/corp-bedbug/
報告書の質(社内共有・再発防止の武器)
支配人としては、次に同じことが起きたときに迷わない資料が欲しいはずです。
- 発生箇所・痕跡・推定侵入ルート
- 実施内容(薬剤・処置・注意点)
- 追加でやるべきこと(点検箇所、期間)
報告書が薄い業者は、運用改善が回りません。
夜間・繁忙期の連絡体制(現実に効く)
ホテルは“疑いが出るタイミング”を選べません。
- 連絡可能時間
- 緊急時の一次対応の指示出し
- すぐ動けない場合の暫定措置
この体制があると、初動が安定します。
まとめ
トコジラミ疑いが出たら、ホテルで最優先すべきは「確定」より「封じ込め」です。客室停止、物を動かさない、写真と時系列の記録を残す——この初動が被害拡大と損失を大きく左右します。次に、清掃・リネン・バックヤードの導線を分離し、“運ばない”運用を徹底すること。自己判断の薬剤対応は拡散や長期化の原因になり得るため、ホテル運用まで提案できる駆除業者と連携し、再点検込みの計画で進めましょう。最後はルール化です。フロントと清掃が同じ手順で動ける仕組みを作れば、繁忙期でも再発リスクを下げられます。
宿泊施設のトコジラミ対策は当社にお気軽にご相談下さい。
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