
シロアリの巣は種類によって場所や特徴が異なるため、正しく見分けることが被害の早期発見につながります。疑わしいサインの見分け方や、巣を見つけた際にやってはいけない行動もあわせて解説します。
「床がきしむ」「羽アリを見た」といった現象は、シロアリ被害のサインである可能性があります。しかし、シロアリの種類によって巣の場所や被害の広がり方は異なるため、どうすべきか判断に悩むこともあるでしょう。
この記事では、シロアリの種類別に巣の特徴や、巣ができている疑いのあるサイン、見つけたときに避けたい行動について解説します。
目次
シロアリは種類によって、巣をつくる場所や広がり方が大きく異なります。
住宅で床のきしみや羽アリなどのサインに気づいた際、まずどの種類のシロアリによる被害かを見極めることが大切です。
ここでは、日本の住宅でとくに問題となるヤマトシロアリ、カンザイシロアリ、イエシロアリの3種について、巣のつくり方の違いを解説します。
ヤマトシロアリとカンザイシロアリには、決まった巣をつくらず、食害した木材の内部を巣として利用するという共通点があります。
一方で、好む環境には大きな違いがあります。ヤマトシロアリは湿った木材を好むのに対し、カンザイシロアリ(主にアメリカカンザイシロアリ)は乾燥した木材の内部に侵入し、少ない水分でも生息できます。
ヤマトシロアリは床下や水まわりなど湿気の多い場所に、カンザイシロアリは乾燥した木材にも被害を及ぼすため、それぞれの生態を理解して調査する必要があります。
ヤマトシロアリは、日本の住宅で被害が多く見られる在来種です。
イエシロアリのように大きな巣をひとつつくるのではなく、床下や浴室まわりなど、湿気の多い場所の木材を食べ進め、その内部の空洞を巣として利用します。集団の規模は数千〜数万匹程度で、イエシロアリと比べると小規模です。
湿った環境を好むため、被害は床下だけとは限りません。雨漏りや結露によって湿気がたまりやすい2階の天井裏や壁の内部で見つかることもあります。
住宅の2階部分で床のきしみや壁の変色などが見られる場合は、シロアリだけでなく、雨漏りなどの建物トラブルが原因となっている可能性も考え、あわせて確認するとよいでしょう。
カンザイシロアリのうち、近年目撃されるようになったアメリカカンザイシロアリはもともと海外から侵入した外来種です。ヤマトシロアリとは対照的に、水分をほとんど含まない乾燥した木材を好み、屋根裏の梁や柱、家具の内部など、建物のさまざまな場所に少数ずつ分かれて巣をつくります。
ひとつの巣にいる個体数は数十〜数百匹程度と小規模で、土の中を通る蟻道をつくらずに空を飛んで木材へ直接侵入するのが特徴です。
そのため、床下を中心に点検する従来の防除方法では発見が遅れやすく、被害に気づいたときには複数箇所に被害が広がっているケースも珍しくありません。
木材の内部に点在するという性質上、外見だけで被害範囲を把握するのが難しい種類だといえます。
イエシロアリは、地中や建物の基礎付近に「本巣」と呼ばれる大きな巣をつくり、そこから建物内へ「分巣」を広げていく特性があります。
集団の規模は数十万〜百万匹に及ぶこともあり、ヤマトシロアリと比べて大きなコロニーを形成します。また、水を運ぶ能力があるため、乾燥した場所にも活動範囲を広げられるのが特徴です。
そのため、気づかないうちに被害が建物の広範囲に及ぶことがあります。建物内の分巣だけを駆除しても、地中の本巣が残っていれば被害が再発するおそれがあるため、本巣の位置を含めて調査することが重要です。
イエシロアリが疑われる場合は、被害の広がりや本巣の位置を正確に把握するためにも、早めに専門業者へ相談するとよいでしょう。
シロアリの巣は木材の内部や地中につくられることが多く、目視だけで直接見つけるのは簡単ではありません。ただし、シロアリがいる建物には、いくつかの共通したサインが見られます。
ここでは、シロアリが巣をつくっているかどうかを確認するための、建物内外のチェックポイントを紹介します。
室内では、床や建具、水まわりなどに変化がないか確認しましょう。とくに注意したいポイントは以下のとおりです。
これらの症状はひとつだけで判断せず、複数の兆候が見られないか確認することが大切です。
屋外では、建物の基礎部分や敷地内にシロアリの痕跡がないか確認しましょう。とくに注意したいポイントは以下のとおりです。
蟻道は、シロアリが地中と建物を行き来するためにつくる通り道で、被害を判断する手がかりのひとつです。また、羽アリが発生している場合は、近くに巣がある可能性も考えられます。
シロアリがいるかどうか確認する際は、建物だけでなく、共用部や敷地内もあわせて確認しておくとよいでしょう。
カンザイシロアリは蟻道をつくらないため、建物外のチェックポイントだけでは発見しにくいのが特徴です。
その代わりに手がかりとなるのが、乾燥した俵状のフンです。
カンザイシロアリは木材の内部に生息し、フンを巣の排出口である「糞孔」から外へ排出します。窓の周囲や屋根裏、床下、軒下などに、砂粒のような細かいフンが盛り塩のように積もっている場合は、被害の可能性を疑いましょう。
フンは茶色~ベージュ色で、0.7~0.9mm程度の俵状をしており、乾燥して硬いのが特徴です。掃除しても同じ場所に再びフンが排出されている場合は、とくに注意が必要です。
また、木材に画びょうの穴のような小さな「糞孔」がないかも確認しましょう。糞孔は1mm程度の小さなものから5mm程度のものまであり、穴の縁がきれいに切り取られたような形をしているのが特徴です。一方、画びょうの穴は縁が押し込まれて丸みを帯びています。
蟻道のようなわかりやすい手がかりがないぶん、フンや糞孔などの細かな痕跡を見逃さないことが、早期発見につながります。
シロアリの巣やその兆候を見つけると、すぐに対処したくなるものです。しかし、自己判断で駆除しようとすると、かえって被害を広げてしまうおそれがあります。
ここでは、シロアリの巣を見つけた際に避けたい2つの行動について解説します。
蟻道は、シロアリがどこから侵入し、どの範囲まで移動しているかを知るための重要な手がかりです。これを自己判断で壊してしまうと、シロアリは刺激を避けて別のルートへ移動してしまいます。
その結果、専門業者が調査に入ったときには侵入経路がわからなくなり、駆除の対象範囲を正確に把握できなくなるおそれがあります。
巣や蟻道らしきものを見つけても、その場では壊さずにそのままの状態を保ち、早めに専門業者へ相談することが大切です。
市販の殺虫スプレーを、見つけたシロアリに直接かけるのも避けたほうがよい行動のひとつです。シロアリは薬剤による刺激を受けると、その場所を離れて壁の内部や別の構造材へ逃げ込むことがあります。
一時的にその場のシロアリがいなくなったように見えても、実際には別の場所へ移動してしまい、あとから調査や駆除が難しくなるおそれがあります。
もし羽アリが室内に発生した場合は、殺虫剤を使わず、出てきた穴をガムテープなどでふさぎ、室内にいる羽アリは掃除機で静かに吸い取る程度にとどめておきましょう。
本格的な駆除は、専門業者による調査を受けてから進めることが大切です。
シロアリの巣は木材の内部や地中にできるため、外から見える範囲だけで位置や被害範囲を判断することはできません。専門業者の調査では、床下や小屋裏に入って構造材の状態を確認し、シロアリの種類や侵入経路、被害を受けている範囲を特定します。
種類が特定できると、適した防除方法も決まります。地中に本巣をつくるイエシロアリには土壌処理やベイト工法、木材の内部に点在するアメリカカンザイシロアリには木材への薬剤処理というように、対応が異なるためです。種類を誤ると、駆除したつもりでも被害が続くことになります。
住宅でシロアリの巣が疑われる場合は、まず被害状況の調査を依頼し、必要な対策と費用の見積もりを受けましょう。
シロアリの巣は種類によってつくられる場所や被害の広がり方が異なります。床のきしみや壁の空洞音、蟻道、羽アリ、乾いたフンなどのサインを確認し、巣や蟻道らしきものを見つけても、自己判断で壊したり殺虫剤をかけたりせず、早めに専門業者へ相談しましょう。
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シロアリの巣が疑われる場合は、ぜひグラックスにご相談ください。