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マンションの鳩対策に必要な決議は?普通決議と特別決議の違い

マンションの鳩対策に必要な決議は?普通決議と特別決議の違い

この記事の結論

  • 共用部分の工事は、内容によって普通決議か特別決議に分かれます。防鳥対策がどちらに当たるかは、工事の方法・範囲・外観への影響で判断が分かれます
  • 標準管理規約はあくまで参考です。実際の決議の種類や必要な賛成の割合は、各マンションの管理規約が基準になります
  • 議案には、工事内容、費用の出どころ、外観や避難経路への配慮、決議の種類の根拠を載せると、承認を得やすくなります

共用部分に鳩のフン被害が出て、対策を考え始めたものの、「総会の決議は必要なのか」「どの決議になるのか」が分からず、議題に上げられない。管理組合の理事の方から、よくいただくご相談です。

この記事では、決議の基本、防鳥対策の場合の考え方、総会までの実務を整理します。対策全体の進め方は、マンションの鳩対策は大規模修繕を待つべき?管理組合の進め方で解説しています。

1. 決議は2種類。基準になるのは管理規約

国土交通省は、管理組合が管理規約を制定・変更する際の参考として、標準管理規約(単棟型)・コメントを作成しています。ただし、標準管理規約は、各マンションの個別の事情に応じて修正して活用することが望ましいとされており、実際の管理規約は標準と異なることがあります。以下の条番号は、標準管理規約(単棟型)のものです。

普通決議と特別決議(第47条)

  • 総会の成立:議決権総数の過半数を有する組合員の出席が必要です。令和7年の改正で、従来の「半数以上」から「過半数」に見直されました。住戸数の少ない小規模マンションでは、従来どおり「半数以上」とすることも考えられるとされています
  • 普通決議:出席組合員の議決権の過半数で決めます
  • 特別決議:組合員総数の過半数かつ議決権総数の過半数を有する組合員が出席し、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決めます。対象は、規約の変更や、敷地及び共用部分等の変更(形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く)などです

つまり、同じ「共用部分の変更」でも、形状や効用の著しい変更を伴わないものは、特別決議ではなく普通決議で足ります。区分所有法も同じ考え方で、共用部分の変更は特別多数決議を原則としつつ、形状又は効用の著しい変更を伴わないものは各過半数としています。

2. 防鳥対策は、どの決議になるのか

結論から言えば、一律には決まりません。工事の内容ごとに整理します。

① フンの清掃・消毒
日常の管理にあたります。標準管理規約では、管理費の使途に「清掃費、消毒費」が挙げられています(第27条)。鳩のフンの清掃・消毒がこれに当たるかは、規約と実態を確認してください。多くの場合、理事会や理事長の権限の範囲内で進められます。

② 防鳥ネット・ワイヤー・スパイクなどの設置(共用部分への加工が小さい場合)
標準管理規約のコメントは、防犯カメラの設置のように、共用部分への加工の程度が小さい工事を、普通決議で実施可能と例示しています。防鳥工事についての明記はなく、「基本的には各工事の具体的内容に基づく個別の判断」とされています。固定方法、設置範囲、外観への影響によって、普通決議で足りると整理される場合もあれば、判断が分かれる場合もあります。

③ 建物の外観や効用を大きく変える規模の設置、躯体への大きな加工
特別決議が必要になる可能性があります。建物全体を覆う、躯体に大きな加工を加える、といった場合です。

④ バルコニーへの設置
バルコニーは、標準管理規約で各区分所有者に専用使用権があるものとされています(第14条、別表第4)。コメントでは、工作物設置の禁止や外観変更の禁止などを、使用細則で定めるとされています。管理規約だけでなく、使用細則も必ず確認してください。

また、共用部分の変更が専用使用部分の使用に特別の影響を及ぼす場合は、その専用使用権者の承諾が必要です。承諾は、正当な理由がなければ拒否できません(第47条第10項)。管理組合が一括で施工する場合も、この点に注意してください。

⑤ 大規模修繕と同時に行う場合
長期修繕計画の作成や変更は、総会の決議事項です(第48条)。修繕の工事項目に防鳥対策を加える場合は、議案にその旨を明記して承認を得ます。

3. 理事会で決められること、総会が必要なこと

理事会
理事会は、総会提出議案の決定や、各種の承認・不承認などを行います(第54条)。標準管理規約のコメントは、共用部分の軽微な変更や管理行為のうち特定の事項を、規約で理事会の決議事項として定めることも可能としています。理事会がどこまで決められるかは、各規約と総会決議の定めによります。

総会
修繕積立金の取崩しは、総会の決議事項です(第48条)。取崩しができる使途は、標準管理規約では、計画的な修繕、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕、敷地及び共用部分等の改良又は変更などと定められています(第28条)。防鳥工事の費用が、管理費・修繕積立金のどちらの使途に当たるかは、規約でご確認ください。

4. 総会までの実務

  • 議案は招集通知に載せる:総会は、少なくとも会議の2週間前までに、日時、場所、目的、議案の要領を通知して招集します(第43条)。総会では、通知した事項についてしか決議できません(第47条)。議案の書き方が重要です。緊急を要する場合は、理事会の承認を得て、1週間を下回らない範囲で期間を短縮できます
  • 議決権の行使:書面や代理人(電磁的方法が利用可能な場合は電磁的方法)による議決権の行使は、出席に算入されます(第46条、第47条)

令和7年の法改正(区分所有法は2026年4月1日施行)
令和7年10月には、標準管理規約も改正されました。主な変更点は次のとおりです。

反対意見への備え
反対の理由として多いのは、外観と避難経路です。外観については、ネットの色、目合い、設置位置を、仕様と設置イメージで示します。避難経路については、標準管理規約が防火管理者の業務に避難経路の確保と点検を挙げています(第32条の2)。避難の妨げにならないかを、防火管理者や消防署に事前に確認してください。避難経路の確保は、消防法でも求められています。

5. 議案資料に載せたい項目

  • 工事の目的と、被害の記録(写真・日付)
  • 施工範囲の図面
  • 使用資材の仕様(材質・色・目合い)
  • 外観、採光、避難経路への影響
  • 費用と、支出元(管理費・修繕積立金など)
  • 保証と保険
  • 作業日程と、住民への周知方法
  • 必要な決議の種類と、その根拠(管理規約の条項)
  • 代替案(大規模修繕に合わせる案、先に施工する案)

議案資料づくりの前に、まずは概算見積りを。
被害状況と図面があれば、概算をお出しできます。

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よくある質問

決議を取らずに、先に施工してもよいですか?
おすすめしません。規約や使用細則に違反するおそれがあり、後のトラブルにつながります。理事長が総会や理事会の決議によらずに行えるのは、標準管理規約では、災害等の緊急時における必要な保存行為などに限られています(第21条第6項)。

反対する住人がいる場合は?
決議の要件を満たせば、決議は成立します。ただし、バルコニーなど専用使用部分に特別の影響を及ぼす場合は、その専用使用権者の承諾が必要です。

大規模修繕の議案に、防鳥対策を加えられますか?
工事項目に加えて、総会で承認を得ることになります。長期修繕計画の変更が必要な場合は、総会の決議が必要です(第48条)。

判断に迷ったときは?
標準管理規約は、管理組合が、マンション管理士など専門的知識を有する者に相談できるとしています(第34条)。管理会社、顧問の弁護士、マンション管理士に、管理規約を見せたうえで確認すると確実です。

まとめ

マンションの鳩対策に必要な決議は、工事の内容によって変わります。防鳥ネットなどの設置は、加工の程度や外観への影響で判断が分かれるため、一律には言えません。最終的な基準は、各マンションの管理規約と使用細則です。

当社では、被害状況と図面から概算見積りを作成し、現地調査のうえで複数案をご提案しています。決議の種類の最終判断は、管理規約をご確認のうえ、管理会社や専門家にご相談ください。

見積のご依頼・ご相談

マンションの鳩対策は、建物の形状、鳩の侵入経路、大規模修繕の予定の有無によって、ご提案する工法と費用が変わります。まずは被害状況のご確認と、図面などの建物資料で概算見積りを作成し、そのうえで現地調査を行い、正式なお見積りをお出しします。

ご相談の際にお知らせいただきたいこと

  • 建物の階数と、被害が出ている箇所(屋上・外廊下・バルコニーなど)
  • 建物の図面(立面図・平面図・屋上の図面など)※お持ちの場合
  • 大規模修繕・外壁塗装などの予定時期
  • 総会・理事会の予定時期

当社の実際の対応は、施工事例ページでご覧いただけます。

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