
「鳩の駆除を頼むといくらかかるのか」——最初に知りたいのはここだと思います。
ただし鳩駆除の費用は、同じ「ベランダ1か所」でも条件次第で数倍の差が出ます。相場だけを見ても判断できないのはそのためです。この記事では、規模ごとの目安と、金額を左右する具体的な条件を整理します。
目次
作業の範囲と施工面積で大きく変わります。**「清掃・消毒だけ」か「再発防止の施工まで行うか」**が、最初の分かれ目です。
補足解説
鳩対策の費用は、大きく2段階に分かれます。
このどちらまで行うかで、金額の水準が変わります。規模別の目安は次のとおりです。
| ケース | 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| フンの清掃・消毒のみ | 侵入防止の施工は行わない | 15,000円〜 |
| ワンルームマンションのベランダ(幅3.6m×高さ2.4m) | 清掃・消毒+防鳥ネット施工 | 2万〜3万円 |
| 戸建てのベランダ(幅5.4m×高さ2.4m) | 清掃・消毒+防鳥ネット施工 | 4万〜6万円 |
| 広範囲の施工(マンション共用部・工場など) | 防鳥ネット施工 | 1,200円〜/㎡ |
表の見方について、2点補足します。
① いずれもフンの被害状況によって変動します。 上記は目安であり、堆積量が多ければ清掃・消毒の工程が増えるため、金額は上振れします。逆に被害が軽微な段階であれば、下限に近い金額で収まります。
② 小規模と広範囲では、金額の出し方が変わります。 ベランダ1か所のような小規模な施工は「1か所いくら」という考え方ですが、マンションの共用部や工場のように面積が大きい場合は㎡単価で算出します。見積もりを見るときは、どちらの方式で出されているかを確認してください。
なお、遠方での作業になる場合は、出張費などの諸経費が別途かかることがあります。
重要なのは、清掃・消毒だけで終わらせると再発しやすいことです。 鳩は帰巣本能が強く、フンの匂いが残っている場所に戻ってきます。表を見ると清掃・消毒のみが最も安く見えますが、一度目は安く済んでも、再発のたびに費用が発生すれば結果的に高くつきます。
「高さ」「面積」「フンの量」「形状の複雑さ」「保証の有無」の5つです。この5点が分かれば、見積もりの金額の理由が説明できます。
補足解説
| 条件 | 金額が上がる理由 |
|---|---|
| ①高さ | 高層階・屋根・外壁では、安全確保のために足場やロープ作業が必要になります。足場を組む場合、その設置・解体費用が総額に大きく影響します(Q4の事例4をご覧ください) |
| ②施工面積 | 防鳥ネットを張る面積が広いほど、材料費と作業時間が増えます |
| ③フンの量 | 長期間放置されて堆積している場合、除去と消毒の手間が大きく増えます |
| ④形状の複雑さ | 配管や室外機、手すりの形状が複雑なほど、隙間を塞ぐ手間がかかります |
| ⑤保証の有無 | 再発時の保証を付ける場合、施工の精度を上げる必要があり、その分が金額に反映されます |
見積もりを取るときは、**「この金額になっているのは、5つのうちどれが効いているのか」**を確認してください。説明できる業者であれば、金額の根拠がはっきりします。
なお⑤について補足すると、保証は付けたほうが結果的に安く済むケースが多くあります。鳩対策は、施工した時点ではなくその後に鳩が戻ってこないかどうかで結果が決まるためです。
戸建ては施工箇所が分散しやすいため、マンションのベランダ1か所とは金額の考え方が変わります。
補足解説
マンションのベランダは、囲われた1つの空間を塞げば対策が完了します。一方、戸建てでは鳩が入り込む場所が複数に分かれることが少なくありません。
戸建てで営巣されやすい場所
1か所だけ塞いでも、別の場所に移られてしまえば解決になりません。そのため戸建ての場合は、現地調査で侵入経路を一通り確認したうえで、どこまで施工するかを決める必要があります。金額も、対象箇所の数によって変わります。
「見積もりが思ったより高い」と感じた場合は、何か所を対象にした金額なのかを確認してみてください。
当社が実際に対応した3件をご紹介します。同じ「ベランダの防鳥工事」でも、条件によって金額が変わることが具体的に分かります。
補足解説
| 施工事例 | 場所 | 特徴 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 分譲マンションのバルコニー防鳥工事 | 京都市右京区 | 一般的な分譲マンションのバルコニー1室 | 約5万円 |
| リゾートマンションのバルコニー防鳥工事 | 滋賀県守山市 | フン害が深刻で、施工面積も大きかったケース | 約8万円 |
| 太陽光パネル防鳥工事 | 滋賀県守山市 | 戸建ての太陽光パネル周辺。ステンレス製ファインメッシュを使用 | 約12万円 |
| 大型マンションの防鳥工事 | 滋賀県近江八幡市 | 約1,300㎡。ロープアクセス工法で施工 | 約150万円 |
事例1と事例2の違い(約5万円と約8万円)
どちらもマンションのバルコニーですが、金額に3万円の差があります。理由は、事例2がフン害が深刻で、施工面積も大きかったためです。Q2で挙げた「③フンの量」と「②施工面積」が、そのまま金額に反映された形です。
同じ「マンションのバルコニー」という言葉でも、被害の進み具合で金額が変わることがお分かりいただけると思います。
事例3:他社では約50万円の見積もりだったケース
戸建ての太陽光パネル周辺への営巣に対応した事例です。このお客様は、他社から「PEネットでの施工となるため足場が必要」として、約50万円のお見積もりを受けておられました。
当社ではステンレス製のファインメッシュを用い、足場を組まずに施工したため、約12万円で完了しています。
材料の選び方と施工方法によって、必要な工程そのものが変わる例です。太陽光パネルの下は隙間が巣に適しているため営巣されやすく、かつパネルを傷めずに施工する必要があるため、現場に合った工法を選べるかどうかで金額が大きく変わります。
事例4:足場を組まずに施工し、工期も短縮したケース
約1,300㎡という大型マンション全体の防鳥工事です。ベランダ1か所の施工とは規模がまったく異なり、Q1でご説明した**㎡単価での算出**になるケースです。
この規模になると、通常は建物のまわりに足場を組む必要があります。このお客様が他社から受けておられたお見積もりは、足場設置工事を含めて約450万円でした。
当社はロープアクセス工法で施工したため足場が不要となり、約150万円で完了しています。
さらに、工期が約3週間から3日に短縮されました。
| 項目 | 他社のお見積もり | 当社の施工 |
|---|---|---|
| 金額 | 約450万円(足場設置工事込み) | 約150万円 |
| 工期 | 約3週間 | 3日 |
マンションでは、足場が架かっている期間は居住者の方の生活に影響します。窓が開けにくくなる、日当たりが悪くなる、外部から入りやすい状態が続くといった負担が、3週間から3日に縮まる意味は小さくありません。
大型物件では、金額だけでなく「足場が必要かどうか」で総額も工期も大きく変わります。 見積もりを比較する際は、足場費用が含まれているか、そもそも足場なしで施工できないかを確認してみてください。
※上記はいずれも実際の施工金額ですが、金額は現場の条件によって異なります。 すべてのケースで同様の差が出るわけではありませんので、目安としてご覧ください。
早い段階で相談することが最も効果的です。被害が進むほど、清掃・消毒の手間が増えます。
補足解説
① 巣を作られる前、フンが溜まる前に相談する
鳩の被害は段階的に進みます。「たまに来ている」段階と、「巣を作られてフンが堆積している」段階とでは、必要な作業量がまったく違います。費用を抑える最大の方法は、早い段階で手を打つことです。
② 複数社から見積もりを取る
国民生活センターも、害虫・害獣駆除サービスについて「複数社から見積もりを取って比較・検討する前提で話を聞く」ことを消費者へのアドバイスとして挙げています。
ただし、金額だけを並べても比較になりません。同じ作業範囲で比べているかを確認する必要があります。比較の具体的な方法は鳩駆除業者の選び方の記事で解説しています。
③ 極端に安い広告表示には注意する
同センターは、広告の格安料金をきっかけとした高額請求トラブルについて注意喚起を行っており、**「3ケタ台など極端な格安料金で依頼できることはまずありません」**と明言しています。実際に「約500円〜」の表示で依頼し、作業後に約20万円を請求された相談事例も公表されています。
安さを求めること自体は当然ですが、表示価格と実際の請求額がかけ離れていないかは確認が必要です。
④ 賃貸なら、まず管理会社に相談する
建物側の負担で対応されるケースがあります。また無断で施工すると原状回復を求められることがあるため、順序として先に確認してください。
出典:国民生活センター「【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」(2025年3月4日)
「一式」表記になっていないかを確認してください。内訳が分かれていないと、何が含まれているか判断できません。
補足解説
鳩駆除の見積書は、次の項目に分かれているのが望ましい形です。
そのうえで、追加費用が発生しうる条件が書かれているかを確認してください。「作業してみたら思ったより汚れがひどかった」という理由で後から加算されるケースを避けられます。
なお、現地を見ずに確定金額を提示する業者には注意が必要です。 鳩対策の金額はQ2の5条件で決まるため、現地を確認しなければ本来は出せません。
予防レベルであれば可能ですが、巣に卵やヒナがある場合は法律上、手を出せません。
補足解説
自分でできるのは、次のような予防的な対策です。
一方、鳩は鳥獣保護管理法で保護されており、環境省も鳥獣の捕獲等は原則として禁止されていると説明しています。卵やヒナがある巣を許可なく撤去することはできません。
また、フンの清掃には感染症のリスクがあり、高所作業には転落の危険があります。詳しい判断基準と、自分で作業する場合の装備・手順については鳩の巣の対処法をまとめた記事で解説しています。
**「自分でやれば無料」ではなく、「対応できる範囲が限られている」**とお考えください。
出典:環境省「捕獲許可制度の概要」、環境省「鳥獣保護管理法の概要」
鳩の被害は放置して収まることがありません。「来ているかもしれない」と感じた段階でご相談いただくほうが、費用も手間も小さく済みます。
株式会社グラックス(京都市伏見区)は、京都を拠点に関西圏で鳥獣・害虫対策に対応しています。
他社のお見積もりをお持ちの方は、「この金額は何の作業に対するものか」というご相談だけでも構いません。
鳩駆除・鳥類対策のサービス内容はこちらのページでご案内しています。