
鳩駆除・防鳥工事を業者に依頼するとき、「保証はありますか」と確認される方は多くいらっしゃいます。
一方で、「その保証が、どんな場合に使えて、どんな場合に使えないのか」まで確認される方はほとんどいません。
この記事では、当社が実際に発行している保証書に沿って、保証の中身を具体的にご説明します。あわせて、保証書がない場合の法律上の扱いも整理します。
目次
当社では、すべての防鳥工事に対して書面の保証書を発行しています。
補足解説
ただし、業者によって扱いは大きく異なります。
| 業者の対応 | 内容 |
|---|---|
| 書面の保証書を発行する | 期間・対象・適用外が明記される |
| 口頭で「保証します」と伝えるのみ | 内容が残らない |
| 保証について触れない | 施工後の不具合は都度相談 |
「保証があります」という言葉だけでは、何も確認できていません。 保証の価値は、書面に何が書かれているかで決まります。
もうひとつ、確認していただきたい点があります。
書面の保証書を用意している業者でも、「求められたときだけ発行する」という運用のところがあります。お客様から申し出がなければ、保証書は渡されません。
当社は、すべての防鳥工事で保証書を標準発行しています。 お客様からお申し出いただく必要はありません。
「保証書は必ずもらえますか。こちらから言わなくても出ますか」——この2つをあわせてお尋ねください。
工事の完成引渡し時もしくは、後日郵送にてお渡しします。お申し出は不要です。
補足解説
当社の保証書は、工事完了後にお客様へお渡しする書面です。防鳥工事では、すべての案件で発行します。
契約前の段階では、まだ保証書はありません。 ただし、「どのような保証書が発行されるのか」は契約前に確認できます。
ご契約前に、保証書のひな形を見せてもらえるかお尋ねください。 実際に発行している業者であれば、すぐに提示できます。
工事の内容と、保証の条件です。
補足解説
当社の防鳥工事保証書には、次の項目が記載されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 実施した工事の名称 |
| 工事場所 | 施工した建物・場所 |
| 完成引渡日 | 保証期間の起算日になります |
| 保証期間 | 保証対象部位ごとに設定します |
さらに、保証対象部位ごとの表が付きます。
| 保証対象部位 | 現象 | 保証内容 | 保証期間 |
|---|
この表が重要です。 「どの部位の」「どんな現象が起きたとき」「何をするのか」「いつまでか」が、部位ごとに書き分けられます。
逆に言えば、この表に記載のない部位は保証の対象外です。 ご自身の建物のどこが対象になっているか、引渡しの際にご確認ください。

これが実際の様式です。契約前にご確認いただけます。 お問い合わせの際にお申し付けください。
当社の保証書には、3つの条件が明記されています。
補足解説
保証書の「保証内容」には、次のように記載しています。
下記条件にすべて該当する場合、無償にて修理や修復工事をいたします。 1)本書記載の保証対象期間内であること 2)一般環境条件下、通常の設置環境、正常の使用状況の下であること 3)本書のご提示があること
3つすべてを満たす必要があります。
特に3)にご注意ください。 保証書そのものを紛失されると、保証の適用が難しくなります。工事の書類と一緒に保管してください。
当社の保証書では、3つの場合を適用外としています。
補足解説
保証書の「保証の適用外」には、次のように記載しています。
以下に示す事項に起因する故障や損傷及び使用上影響のない感覚的な評価はご容赦下さい。 1)お客様のご使用上の誤りや、過失・修理・改修・移動等によって発生したもの 2)摩擦・摩耗等の材料の自然特性、あるいは、経年変化に起因するもの 3)火災・地震・水害・雪害・落雷・その他天変地異・公害や異常電圧によるもの
具体的には、次のようなケースが該当します。
| 適用外の例 | 該当する項目 |
|---|---|
| 施工したネットを、お客様側で取り外した・移動した | 1) |
| 別の業者が手を入れて、固定部が緩んだ | 1) |
| 長期間の使用による樹脂部材の色あせ | 2) |
| 台風でネットが破損した | 3) |
| 積雪の重みで固定部が損傷した | 3) |
| 地震で固定金具がずれた | 3) |
この項目を最初にご確認いただきたいと考えています。
保証の説明では「3年保証です」という期間ばかりが注目されますが、実際に問題になるのは適用外の範囲です。期間が長くても、適用外が広ければ意味がありません。
契約前に、適用外の条件を書面で示せるかどうかをご確認ください。
部材メーカーの保証期間と、当社の上限である3年の、短いほうを適用します。
補足解説
防鳥工事で使う部材には、それぞれメーカーが定めた保証期間があります。当社は、それを確認したうえで期間を決めています。
| メーカー保証 | 当社の保証期間 |
|---|---|
| 3年未満 | メーカー保証と同じ期間 |
| 3年以上 | 3年(当社の上限) |
| 設定なし | 当社の判断で付与 |
当社が使用するステンレス製ファインメッシュは、メーカー保証が10年です。 それでも、当社の保証は3年です。
理由は、工事が部材の組み合わせで成り立っているためです。
メッシュそのものは10年もつとしても、それを固定する接着剤には、メーカー保証がありません。 固定ベースの保証は3年です。
最も短い部材が、工事全体の寿命を決めます。
メッシュの10年に合わせて「10年保証」と掲げることもできます。しかし固定部が先に限界を迎えれば、その保証は実態と合いません。
当社が使用する13種類の部材のうち、7種類にはメーカー保証がありません。 接着剤、ワイヤー、固定アンカー、剣山などです。
これらにも、当社の判断で保証を付けています。 メーカーが保証しない部分を、施工業者として引き受けるという判断です。
「何年保証ですか」ではなく、次のようにお尋ねください。
どの部位が何年で、その期間の根拠は何ですか
この問いに、使用する部材名とメーカー保証期間まで答えられる業者は、部材を選んで施工しています。
逆に、長い保証期間だけを掲げて根拠を説明できない場合は、注意が必要です。 その期間を実際に履行できるかどうかは、部材と施工方法で決まります。
使う資材と固定方法が違うためです。
補足解説
保証期間は、業者の気前の良さで決まるものではありません。その施工が何年もつかという見通しで決まります。
当社の例をお伝えします。
① 積雪地域では、固定方法を変えています
過去に、滋賀県北部の積雪地域で、雪の重みによりステンレスメッシュの一部が欠損した事例がありました。屋根に積もった雪は、沈み込み、少しずつ滑り落ちます。このとき固定部にかかる荷重は想像以上に大きくなります。
この経験を踏まえ、数年前から次のように使い分けています。
| 地域 | 固定方法 |
|---|---|
| 積雪のない地域 | 耐候性AAS樹脂の固定ベースをボンドで接着 |
| 積雪のある地域 | 専用のアルミ金物で固定 |
② 海沿いでは、耐候性の高い資材を使います
神戸市の食品メーカー様で、潮風と紫外線によりネットにたるみと破れが生じ、固定金具に腐食が出ていた現場がありました。この現場では、耐候性の高い資材へ交換しています。
ここは正直にお伝えします。 当社が使用する資材のメーカーは、塩害に対する耐性を保証していません。 「耐塩害仕様」と言える製品ではないためです。
海沿いの建物では、内陸より劣化が早く進みます。 これは避けられません。だからこそ、資材の選定に加えて、点検の周期を短くすることをお勧めしています。
同じ工事でも、地域の条件に合わせて部材が変わります。 そして、その部材のメーカー保証期間が、当社の保証期間の根拠になります。
Q5でご覧いただいたとおり、雪害は保証の適用外です。これは当社に限った話ではなく、自然災害による損傷は一般的に保証の対象になりません。
だからこそ、積雪地域では最初から仕様を変えています。
「適用外だから、起きても仕方がない」という考え方はしていません。 適用外になる事象こそ、施工の段階で起きないようにしておく必要があります。
積雪のある地域で見積もりを取られる場合は、「固定方法は何を使いますか」と必ずお尋ねください。 樹脂ベースのボンド固定だけで施工された場合、問題が出るのは施工直後ではなく、数年後の冬です。そして雪害は、保証では救済されません。
施工技術の見極め方については鳩・害鳥駆除業者の選び方でも解説しています。
ここが、保証を考えるうえで最も大切な点です。
防鳥工事で実際に不具合が出るとき、その原因は資材そのものより、施工の手順にあります。
当社がこれまでにいただいたご指摘は、大きく2つに分かれます。
① 固定ベースの剥がれ
原因は、いずれも施工の手順にありました。
いずれも、資材の性能とは関係ありません。 メーカー保証が10年の資材を使っても、接着面を拭かずに貼れば、数か月で剥がれます。
② 隙間からの侵入
固定ベースの取付間隔が、基準を超えていたことが原因です。
当社では、固定ベースの間隔を300mm以内と定めています。これを超えると、ベースとベースのあいだにネットの浮きが生じ、そこが鳩の侵入口になります。
鳩は、人が「これくらいなら入れない」と思う隙間から入ります。 間隔の基準は、そのために決めているものです。
上記のいずれも、施工が終わった時点で確認していれば防げたものです。
当社は、不具合の要因を「施工完了時の最終確認ができていなかったこと」と捉えています。 手順そのものは決まっていても、確認の工程が独立していなければ、抜けは残ります。
だからこそ、業者には次のこともお尋ねください。
施工が終わったあと、何をどう確認していますか
保証は、不具合が起きた後の話です。 起こさないための確認の仕組みがあるかどうかは、保証書には書かれていません。
いいえ。保証は「施工した部位の不具合」を対象とするものです。
補足解説
ここは誤解が生じやすい点です。
保証書には保証対象部位が記載されます。つまり、保証が対象とするのは、その部位に不具合が生じた場合です。
| ケース | 保証の対象 |
|---|---|
| 施工したネットの固定部が外れ、そこから侵入された | 対象になります |
| 施工していない別の場所に、新たに営巣された | 対象外です |
| ネットが破れて隙間ができた | 対象になります(適用外の事由を除く) |
「保証があるから、もう鳩は一切来ない」という意味ではありません。
鳩は建物のあらゆる場所を狙います。ベランダを塞げば、次は屋根や軒下に移ることがあります。 これは施工の不備ではなく、新たな被害です。
だからこそ、現地調査の段階で、被害箇所だけでなく建物全体の侵入経路を確認することが重要になります。 一部だけを塞ぐ工事は、費用は抑えられますが、別の場所に移られる可能性が残ります。
いいえ。業者の保証とは別に、法律上の責任があります。
補足解説
工事の請負契約には、契約不適合責任という法律上の責任があります。
民法第637条は、次のように定めています。
注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
裏を返せば、不適合を知ってから1年以内に通知すれば、請求できる余地があります。
ここで整理しておきます。
| 業者の保証 | 契約不適合責任 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 業者が任意で定めるもの | 法律(民法) |
| 期間 | 保証書に記載された期間 | 不適合を知った時から1年以内の通知 |
| 内容 | 保証書に記載された範囲 | 追完請求・減額請求・損害賠償など |
保証書がないからといって、何も言えないわけではありません。
ただし、法律の適用は個別の事情によって変わります。 実際に問題が生じた場合は、消費者ホットライン「188」(お住まいの地域の消費生活センターにつながります)にご相談ください。
出典:民法(e-Gov法令検索)
次の5点です。
補足解説
| # | 確認すること | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 1 | 保証書は書面で発行されるか | 口頭の保証は内容が残りません |
| 2 | 保証対象となる部位はどこか | 記載のない部位は対象外です |
| 3 | 適用外となる条件は何か | 期間よりも先に確認すべき項目です |
| 4 | 保証期間の根拠は何か | 資材と施工方法で決まります |
| 5 | 保証が適用されたとき、何をしてもらえるか | 修理か、再施工か、範囲はどこまでか |
3を確認されると、業者の対応が分かれます。
適用外の条件を書面で明示している業者は、不具合が起きたときの扱いを事前に決めているということです。逆に「そのときは相談で」という回答は、決まっていないという意味になります。
見積書の見方については鳩の駆除費用でも解説しています。
| 確認する順序 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 書面の保証書が、申し出なくても発行されるか |
| 2 | 適用外となる条件が明記されているか |
| 3 | 保証対象部位が特定されているか |
| 4 | 保証期間と、その根拠 |
| 5 | 施工の手順が決まっているか |
「3年保証」という言葉だけでは、何も判断できません。
保証の実体は、適用外の範囲と、保証対象部位の特定にあります。この2つが書面にあれば、不具合が起きたときに何をしてもらえるかが事前に分かります。
そして、保証期間は施工の質を映す指標でもあります。 当社は部材メーカーの保証期間を確認したうえで、上限3年の範囲で設定しています。メーカー保証が10年の部材を使っていても、固定部がもたなければ意味がないためです。
長い保証期間そのものより、その根拠を説明できるかどうかをご確認ください。
最後に、保証よりも大切なことをお伝えします。
台風・地震・雪害といった自然災害は、どの業者の保証でも対象外です。保証で救済されない事象を、施工の段階で起こさないようにすること——積雪地域でアルミ金物を使うのは、そのためです。
そして、保証の対象になる不具合の多くは、資材ではなく施工の手順で起きます。 接着面を拭いたか、張力を均一にかけたか、端部を処理したか——保証書には書かれない部分が、実際の結果を決めます。
保証は、最後の備えです。 本来見るべきなのは、その備えを使わずに済む施工かどうかです。
当社は関西一円で、戸建て住宅・マンション・工場・太陽光パネルの防鳥工事を手がけています。
保証書のひな形は、ご契約前にご確認いただけます。 お問い合わせの際にお申し付けください。
保証の全般については保証についてのページもご覧ください。