
屋根の上の太陽光パネルと屋根材のあいだは、鳩にとって理想的な営巣場所です。雨風がしのげて、天敵も来ません。
問題は、同じ工事でも業者によって見積もりが数倍変わることです。この記事では、金額が変わる理由と、パネルや屋根を傷めずに施工する方法を、実際の施工事例をもとに整理します。
目次
10万円から30万円が一つの目安です。 パネルの脱着を伴う場合は40万円から70万円になることもあります。ただし施工方法によって、金額は大きく変わります。
補足解説
まず前提として、太陽光パネルの防鳥工事は、ベランダの鳩対策とは作業内容がまったく異なります。 ベランダは地上から手が届く範囲の作業ですが、太陽光パネルは屋根の上で、パネルや屋根材を傷つけずに施工する必要があります。ベランダ工事の金額を基準に考えると、実態と離れてしまいます。
費用は次の作業を積み上げて決まります。
| 作業 | 内容 |
|---|---|
| 営巣撤去 | パネル下の巣を取り除きます |
| 糞の清掃・消毒 | 堆積量と広がり方で工程が増えます(回収した糞の処分も含みます) |
| 防鳥資材 | パネル外周の隙間を塞ぐメッシュなど |
| 施工費 | 高所作業の手間 |
| 足場費用 | 組む場合のみ発生します |
| パネルの脱着 | 行う場合のみ発生します |
総額を大きく動かすのは、足場・パネル脱着・糞の量の3つです。 営巣撤去や資材そのものの費用に、業者間で大きな差は生まれにくい部分です。
糞については、放置された期間がそのまま金額に跳ね返ります。横樋まで詰まっていれば、
清掃範囲は屋根全体に広がります。回収した糞の処分まで施工費に含めてお出ししていますが、
量が増えればその分は金額に反映されます。
「巣を見つけてすぐ」と「数年放置してから」では、同じ工事でも金額が変わります。
当社では、ほぼすべての現場で足場を使わず、パネルも外さずに施工しています。 実際の金額は次のとおりです。
実際の施工事例(滋賀県守山市・戸建て)
パネルの下に巣が2つあり、卵もヒナもいない状態でした。鳩を追い出したうえで営巣撤去と糞清掃を行い、パネル周囲にステンレス製のメッシュを設置。足場も高所作業車も使わず、ロープアクセスで1日で完了し、費用は12万円程度でした。
この現場では、他社から「PEネットで施工するため足場が必要」として約50万円の見積もりが出ていました。
※これは個別の案件における実際の金額です。現場の条件によって費用は変わりますので、一般的な比較としてお読みにならないようお願いします。
足場です。 屋根の上の作業をどう安全に行うかで、総額が決まります。
補足解説
太陽光パネルは屋根の上にあります。そこで作業するには、次の3つのいずれかが必要です。
| 方法 | 費用への影響 | 備考 |
|---|---|---|
| 仮設足場を組む | 設置・解体だけで大きな費用 | 単独手配だと割高になりやすい |
| 高所作業車を使う | 車両の手配費用が発生 | 前面道路の幅などの制約があります |
| ロープアクセス | 足場費用が発生しない | ロープ高所作業特別教育を修了した作業者が必要 |
防鳥工事そのものの金額に大きな差はありません。差がつくのは、屋根まで安全に上がる手段のほうです。
当社では、太陽光パネルの防鳥工事についてほぼすべての現場で足場を使わずに施工しています。 スタッフ全員がロープ高所作業特別教育を修了しているためです。
他社で「足場が必要」と言われた方は、施工方法を変えれば金額が変わる可能性があります。 見積もりを取り直す価値がある部分です。
当社では現地調査の段階でドローンによる空撮を行い、屋根全体の状況をお客様とご一緒に確認しています。
補足解説
太陽光パネルの鳩被害でお客様が困られるのは、現場をご自身で確認できないことです。屋根の上に上がるわけにはいかず、業者の説明を信じるしかない状態になります。相見積もりを取っても、前提が違うのか同じ工事で金額が違うのか、判断がつきません。
そこで当社では、調査の段階で空撮した写真をご覧いただいています。
空撮で確認できること
| 項目 | お客様にご確認いただけること |
|---|---|
| 糞がどこまで広がっているか | 清掃範囲の広さ |
| 横樋・雨樋の詰まり具合 | 清掃工程が増えるかどうか |
| 屋根の形状・勾配、パネルの配置 | どのように施工するか |
空撮では確認できないこと
パネルと屋根材の隙間の奥は、上空からは見えません。 巣がいくつあるか、卵やヒナがいるかは、実際に屋根の上で確認する必要があります。
それでも、屋根全体の状況が写真で分かるだけで、見積もりの前提をご確認いただけます。 「なぜこの金額になるのか」を、言葉だけでなく画像でご説明できます。
※現地の状況により、ドローンを使用できない場合があります。その際は別の方法で調査いたします。
多くの現場では、パネルを外さずに施工できます。
補足解説
パネルを一時的に取り外して清掃・再設置する方法もありますが、脱着には別途費用がかかり、配線の再接続も伴います。
当社が行っているのは、パネルを外さずに、下に入り込んで作業する方法です。
兵庫県明石市の現場では、パネル下の隙間が瓦1枚分しかない条件でしたが、ロープワークで姿勢を確保して施工しました。大屋根の横樋に糞が溜まって詰まっていたため、清掃から始めています。
ただし、糞が屋根裏まで入り込んでいる場合や、パネル下全面に堆積している場合は、脱着が必要になることがあります。 現地調査で判断します。
ステンレス製のファインメッシュをおすすめしています。 PEネット(ポリエチレン製)より材料費は高いものの、総額はほとんど変わりません。
補足解説
| ステンレス製ファインメッシュ | PEネット | |
|---|---|---|
| 耐久性 | 高い | 紫外線で劣化しやすい |
| 材料費 | やや高い | 安い |
| 施工時間 | PEネットの約半分 | 長い |
| 施工費の総額 | ほぼ変わりません | — |
材料費が高くても施工時間が半分で済むため、合計するとほぼ同じ金額になります。 長持ちすることを考えると、ステンレスを選ぶ理由があります。
PEネットは数年で紫外線により劣化し、破れた箇所から鳩が入ります。屋根の上は点検しにくいため、破れに気づくのは被害が再発してからです。 交換の手間を考えると、最初から耐久性のある資材を選ぶほうが結果的に安く済みます。
開けません。 固定具はボンドで接着します。
補足解説
パネル外周に固定具をボンドで接着し、そこにメッシュを取り付けます。屋根材にもパネル本体にも、穴を開けたり傷をつけたりしません。
これは実務上、重要な点です。
見積もりを取る際は、固定方法を必ず確認してください。 ビス留めを前提とする業者もあります。
いいえ。積雪のある地域では、固定方法を変えています。
補足解説
滋賀県北部のような積雪地域で、過去に積雪の重みでファインメッシュの一部が欠損した事例がありました。屋根に積もった雪が沈み込み、滑り落ちるときの荷重は想像以上に大きくなります。
この経験を踏まえ、数年前より次のように使い分けています。
| 地域 | 固定方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 積雪のない地域 | 耐候性AAS樹脂の固定ベースをボンドで接着 | コストを抑えられます |
| 積雪のある地域 | 専用のアルミ金物で固定 | コストは上がりますが、雪の荷重に耐えます |
同じ「太陽光パネルの防鳥工事」でも、長浜市や米原市と、大阪市内とでは使う部材が変わります。 積雪地域の見積もりがやや高くなるのは、この違いによる部分があります。
お住まいの地域に雪が積もるのであれば、見積もりの際に「固定方法は何か」を必ずご確認ください。 樹脂ベースのボンド固定だけで済ませる施工では、数年後に欠損する可能性があります。
施工直後の見た目では違いが分かりません。差が出るのは、数年後の冬です。
おすすめしていません。 塞ぐこと自体より、屋根に上がることと、糞を吸い込むことのほうが危険です。
補足解説
市販の防鳥ネットや隙間テープで塞ごうとされる方がいらっしゃいますが、次の点にご注意ください。
① 屋根の上での作業そのものが危険です
太陽光パネルの周囲は足場が悪く、パネル面は滑ります。ロープ高所作業は特別教育の修了が必要な作業です。転落事故は毎年起きています。
② 乾いた糞の粉塵を吸い込みます
パネル下には糞が堆積しています。防塵マスクなしで清掃すると、粉塵を吸い込むことになります(Q9をご覧ください)。
③ 塞ぎ方を誤ると、かえって悪化します
④ パネルの保証に影響する可能性があります
パネル本体や架台に手を加えると、メーカー保証の対象外になるおそれがあります。
どうしてもご自身で対応される場合は、巣も糞もない、営巣前の段階に限ってください。 すでに巣や糞がある状態からのDIYは、リスクに見合いません。
糞の堆積が進み、発電効率の低下と清掃費用の増加を招きます。 衛生上のリスクもあります。
補足解説
パネル下に巣ができると、次のような問題が起こります。
最も現実的な問題は、清掃費用が年々上がることです。 糞は放置した期間に比例して溜まります。横樋まで詰まると、清掃の範囲が屋根全体に広がります。
衛生面では、鳥の糞に含まれる真菌を吸い込むことで起こる感染症が知られています。国立健康危機管理研究機構の資料では、播種性クリプトコックス症について、感染源としてハトなどの鳥の糞との関与が示唆されていると説明されています。
乾いた糞を掃くと粉塵が舞います。 ご自身での清掃はおすすめしていません。
出典:国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「播種性クリプトコックス症」
その場合は、すぐに撤去できません。 鳩は鳥獣保護管理法で保護されています。
補足解説
卵やヒナがいる巣を許可なく撤去・移動することは、鳥獣保護管理法で禁止されています。巣材だけで卵もヒナもいない段階であれば、撤去に許可は必要ありません。
太陽光パネルの下は目視しにくいため、巣の中の状態が分からないまま作業を始めるのは危険です。 現地調査の際に確認します。
卵やヒナがいる場合は、巣立ちを待ってから施工することになります。ただし、待っているあいだに糞は増え続けます。 先に見積もりを取っておき、巣立ち後すぐに動けるようにしておくことをおすすめします。
詳しくは鳩の巣を見つけたときの対処法と鳩を駆除しても法律的に問題ない?をご覧ください。
出典:環境省「鳥獣保護管理法の概要」
太陽光パネルの防鳥工事の事例です。
補足解説
| 地域 | 内容 | 工期 |
|---|---|---|
| 滋賀県守山市 | 戸建て。巣2つを撤去、ステンレスメッシュ設置。足場・高所作業車なし | 1日 |
| 滋賀県近江八幡市 | パネル下の営巣撤去、高圧洗浄、横樋の清掃、ファインメッシュ設置 | 3時間程度 |
| 兵庫県明石市 | 大屋根の横樋が糞で詰まった状態から清掃。パネル下の隙間が瓦1枚分 | 半日 |
| 兵庫県明石市 | パネル周囲に固定具をボンド留め、ファインメッシュを設置 | 1日 |
| 兵庫県明石市 | 他社で高額見積もりを受けたお客様。ロープアクセスで施工 | 半日程度 |
| 兵庫県姫路市 | 営巣撤去・糞清掃・防鳥工事 | 1日 |
工期は半日から1日です。 足場を組む場合は、設置と解体でさらに日数がかかります。
関西一円に対応しています。 滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県のほか、東海地方への出張実績もあります。
補足解説
太陽光パネルの防鳥工事は、対応できる業者が限られます。屋根の上でパネルを傷つけずに施工する必要があり、足場を使わない場合はロープ作業の技能も要るためです。
そのため、お住まいの地域に対応業者が見つからないというご相談を多くいただきます。 距離のある地域では現地調査費のご相談をさせていただく場合がありますが、まずはお問い合わせください。費用が発生する場合は、事前に必ずお伝えします。
地域ごとの相談窓口や、その地域特有の条件については、地域別の記事で解説しています。
▶ 兵庫で鳩駆除を依頼するには(明石市・姫路市での太陽光パネル施工事例、潮風による塩害)
▶ 奈良で鳩駆除を依頼するには(急勾配の屋根、足場を使わない施工)
太陽光パネルの防鳥工事は、ベランダの鳩対策とはまったく別の工事です。屋根の上で、パネルと屋根材を傷つけずに施工する必要があります。
そのうえで、見積もりを見るときは次の5点をご確認ください。
| 確認すること | なぜ重要か |
|---|---|
| 足場を組む前提の見積もりか | ここが総額を最も大きく左右します |
| 現場の状況を見せてもらえるか | 写真で根拠を示せない見積もりは、比較のしようがありません |
| 糞の清掃と処分まで、金額に含まれているか | 放置期間が長いほど、ここが膨らみます。また、後から追加請求される項目が無いかをご確認ください |
| 積雪地域なら、固定方法は金物か | 樹脂ベースのボンド固定だけでは、数年後に欠損する可能性があります |
| パネルを脱着するか | 脱着には別途費用がかかります |
| 固定具はボンドかビスか | ビスだと雨漏りとメーカー保証のリスクがあります |
| 資材はステンレスかPEネットか | PEネットは数年で劣化します |
| 清掃・消毒が含まれるか | 巣だけ取っても糞が残れば鳩は戻ります |
太陽光パネルの鳩被害は、放置した期間の分だけ清掃費用が増えます。 巣を見つけた段階で相談していただくのが、結果的に最も安く済みます。
他社で「足場が必要」と言われた方は、一度ご相談ください。 施工方法を変えることで金額が変わる可能性があります。
※距離のある地域は、現地調査が有料となる場合がございます。お問い合わせの際にご相談ください。
鳩駆除・鳥類対策のサービス内容はこちらのページでご案内しています。